到着してすぐ、同じ港から出発する、マングローブクルーズに出発です。この手際の良さもツアーの魅力。

西表島を代表する観光のひとつが、この仲間川で行われるマングローブクルーズ。川の両岸には亜熱帯特有のマングローブ林が広がり、日本最大級ともいわれる規模を誇ります。
遊覧船に乗って川をゆっくりと進んでいくと、まるでジャングルの中に入り込んだかのような景色が続きます。川は海とつながる汽水域のため、潮の満ち引きによって景色が変わるのも特徴。干潮時にはマングローブの複雑な根が姿を現し、独特の自然の造形を見ることができるそうですが、訪れた時はほとんど満潮状態。
西表島を含む奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島は、2021年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。島の約9割が亜熱帯の原生林に覆われており、手つかずの自然が今も色濃く残っているのが大きな特徴です。
クルーズ船の船長さんは操船だけでなく、ガイド役も兼ねています。航行中は西表島の自然やマングローブについて、時には冗談も交えながら面白おかしく解説してくれるため、船内は終始なごやかな雰囲気です。
さらに、川沿いで野生動物の姿を見つけると「ほら、あそこにいますよ!」と船をゆっくり近づけてくれるサービスも。枝にとまる鳥や川辺で動く生き物など、双眼鏡がなくても見やすい位置まで寄ってくれるので、思わずカメラを構える乗客も多く見られました。




マングローブの泥をよく見ると、巻き貝がびっしり。最初は誰かがばらまいたのかと思うほどの数ですが、これは「キバウミニナ」という貝。落ち葉などを食べて干潟をきれいにしてくれる、いわばマングローブの清掃員なのだそうです。
船長さんが朝、葉っぱで作ったバッタだそうです。すごい!器用ですね。

クルーズ中は雨があがっていましたが、終盤になると雨がぱらつきはじめました。
約1時間のジャングルクルーズ、ひたすら緑色を見て目が良くなった感じがします。
お次は観光バスに乗り換え、由布島入口へ向かいます。
車内では運転手さんがガイドを兼ねています。
西表島の自然や暮らしについて面白おかしく話してくれます。
たとえばこの島には、なんと信号機が2つしかないのだとか。しかも交通量が多いから設置されているわけではなく、島の子どもたちが信号機を知らないまま島を出てしまわないよう、交通教育のために設置されているのだそうです。
「西表島では渋滞は起きませんけどね」と運転手さん。確かに、この島で交通渋滞を想像するのはなかなか難しそうです。
また、西表島の住民の多くは、昔から住んでいた人ばかりではなく、本土や沖縄本島などから移り住んできた人も多いとのこと。豊かな自然やゆったりとした暮らしに惹かれて移住する人も少なくないそうで、いわば*【自然に呼ばれて集まった人たちの島】でもあります。
先程マングローブクルーズで乗った仲間川を橋で渡ります。
島内を走るバスは、どこかのんびりしたペース。速度もだいたい時速30kmほどで、ゆったりと進んでいきます。
もちろんツアーの行程に余裕があるという理由もありますが、もうひとつ大きな理由があるそうです。それが、この島に生息する特別天然記念物、イリオモテヤマネコ。
もし道路に飛び出してきたときでも、すぐに止まれるようにするため、このくらいのスピードで走るのがちょうどいいのだとか。
「この島では人よりヤマネコのほうが大事さぁ」と冗談混じりで地元のおじぃたちが話をしてくれることもあるそう。
それだけ、この島ではヤマネコが大切にされ、共に暮らしている存在なのかもしれません。
由布島への入口が見えてきました。
西表島からさらに小さな島、由布島へ行くには、ちょっとユニークな方法で渡ります。橋でもフェリーでもなく、なんと水牛車に乗って海を渡るのです。
面白いのは、水牛にもオスとメスで力が違うということ。
そのため、引く水牛によって乗せられる人数が変わるそうです。力の強いオスの水牛は多くの人を乗せることができますが、メスの場合は少し人数を減らすこともあるのだとか。

島と島の間には浅い海が広がっていて、干潮時には人の腰ほどの水深になります。その海の中に道があり、水牛が引く大きな木の車に乗って、ゆっくりと進んでいきます。ゴトゴトと揺れる車輪の音、海を渡る風、そして水牛ののんびりした足取り。時間がゆっくり流れているような、不思議な感覚になります。
水牛車を操る御者さんは、三線を弾きながら沖縄の民謡を歌ってくれることもあります。観光客を楽しませながら進むその時間は、ただの移動というより、まるで小さな旅そのもの。
由布島に到着しました。今回乗せてくれたのはメスの水牛、アンリちゃん。
近づくとツノで怪我することがあるので、少し離れてバイバイします。
こちらはオスの水牛。私が乗ったアンリちゃんは8人ほどを乗せて乗りましたが、こちらは10人ほど乗せています。



由布島の水牛家系図。大五郎から由布島の水牛が誕生していきました。

アイドル水牛のルイくん。この子は穏やかな性格でツノや体を触らせてくれます。
ルイくんとの撮影もしてくれて、無料でポストカードに印刷してくれます♪
大きな写真は有料ということ^^;

島内唯一のレストランでお昼ごはんをいただきます。といっても朝ごはんをしっかり食べたのでそこまでお腹が空いていませんが^^;
ワンプレートで一度取り切りのビュッフェ形式。
沖縄の野菜をふんだんに使ったプレートランチ、スルスル食べてしまうから恐ろしい^^;
次回は由布島をテクテクお散歩します!
【さつえい後記-沖縄の原風景】
由布島の水牛車は、観光パンフレットにも必ずと言っていいほど掲載されている、沖縄を象徴する風景のひとつです。
実は私にとっても、少し思い出のある存在。中学生の頃、お土産でもらった黒糖キャラメルの箱に、水牛車のシールが入っていました。のんびり海を渡るその姿を見て、「いつか乗ってみたいなぁ」と思った記憶があります。
今回それが実現したわけですが、改めて見る水牛車は、やはりどこか沖縄らしい時間の流れを感じさせる乗り物でした。
ちなみに写真は竹富島の水牛車。竹富島では陸上のみを走る、いわば観光向けの水牛車です。
一方で由布島の場合、かつては実際に水牛に乗って海を渡り、島と島を行き来していた生活の足だったそうです。
観光として楽しみながらも、ほんの少しだけ沖縄の原風景を垣間見た気がしました。
